八幡神社の由緒板は震災後に建てたものですが、潮風や西日の影響か文字がだいぶ薄くなっていました。実はこの由緒を数年前に書いてもらう際、気仙沼で看板屋さんを当たってみたのですが、なかなか手描きということで引き受けてもらえず、思い立って、熊谷市の新島さんならとお願いしたら、快諾してもらったのでした。(新島さんは、歌舞伎の公演の際の旗のデザインや、直実のTシャツのデザインをしてくれたクマガイ工芸を経営しています。熊谷のうちわ祭りの提灯の文字、直実の山車なども手がけました。)
一昨日新島さん親子がこの由緒板の文字を濃く書き直すために、熊谷市を夜中の3時に出発して遥々やってきてくれました。その作業は一文字一文字上からなぞり書きすることで、小さな句読点に至るまで、だぶったり、ずれたりすることが全くない見事な仕上がりには、プロとは言え脱帽です。出来上がったのは、すっかり暗くなった二日目の夕方でしたが、ライトに照らされて浮かび上がった文字は黒光りして美しくさえありました。由緒板もお化粧直しして、おそらく平成最後の年になるお正月を迎える準備が整いました。